白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「もう・・嫌いになったから・・?」
「・・あぁ」
「じゃーどうして今も指輪なんか付けてるの?!どうして泣いてるの?!」
あたしは、流星に必死に訴えた。

流星は、ずっと泣いていた。
「ごめん・・。ほんとにごめん・・」
「ねぇ流星・・。今まで何があったの?」
「それはもういいんだ・・」
「流星のバカ!いつまで意地張ってんの・・。あたしそんなに頼りなかったの?あの日流星がいなくなって、カズキと一緒に川原に行ったんだ。その時に全部聞いたよ・・。お父さんお母さんのこと・・」

そして、流星は顔をあげた。
「本当は全部、流星の口でちゃんと聞きたかったよ?何も言ってくれなかったことが一番寂しいよ・・」
「不安だったんだ・・お前に全部話したら俺の前からいなくなるんじゃねぇーかって。だから、言えなかったんだ・・」
「あたし・・そんなことで流星の前から簡単にいなくなったりなんかしないよ?」
「花恵・・今までごめんな・・。寂しい思いさせて。ほんとにごめん」

そして、あたしは流星に抱きしめられた。
流星の腕の中は、あの頃と同じように温かかった。
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