白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「おい!もしもし花恵?!」

電話の相手は、カズキからだった。
だけど、カズキから聞こえてくる声はいつにも増して、すごく焦っている様子。

「どうしたの?そんな慌てて・・」
「ちょ、いいいいい今、今さっき子供生まれた・・」
「え?!もう産まれたの?!」
「あぁ!少し予定日とは早かったけど、子供もモモカも二人とも元気!」
「ほんと?!よかったぁ~。おめでとうカズキ。モモカちゃんにも伝えておいてね」
「おう!わかった!ありがとな!」
「ってかカズキさ・・流星には報告したの?」
「当たり前!一番先に連絡した」
「え?!嘘でしょー!あたしの電話でカズキあんなにテンパってたのに、流星の時はちゃんと通じたの?」
「かろうじて?まぁ、流星なら通じてるだろ!」
「あははっ」

だけど、そんなカズキは無事に産まれてきてくれた子供が嬉しくて、頭いっぱいだったんだよね。
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