白い便箋を太陽に翳してみれば・・
ガラガラガラ・・

10分くらいしてから、病室の中から流星の仕事仲間の人達が出て来た。
それと入れ代わるように、あたしは恐る恐る中に入った。
そこには、沢山の機械に繋がれながら寝ている流星がいた。

「流星・・」

涙が溢れてきた。
流星の頬にちゃんと触りたいのに、顔中包帯だらけで思うように触れることが出来ない。
「流星・・あたしここにいるよ・・。返事して・・」

瞬きするたびに、あたしの目からは大きな雫がしたたり落ちる。
あたしは、強く目を閉じた。
自分でも分かるほど、流星の頬に触れている手が震えていた。

どうしてこうなっちゃったの・・?
どうして・・流星だけ・・。

でも、流星は目を開けてくれなかった。
今すぐ、あなたの声が聞きたいのに・・。

あたしは、流星の手を握った。
当然、流星は握り返してくれなくて・・。
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