白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「私がいると邪魔ですよね・・。失礼します」
「・・りゅ・・流星を・・最後まで・・助けようと・してくれて・・あ・ありがとう・・ございま・した・・」

先生は、あたしを見て驚いた顔をしている。
あたしは、涙交じりに声を振り絞って先生に頭を下げた。

「私は・・お礼を言われるようなことは・・何もしていません・・」
あたしは、首を強く振った。
「お名前聞いてもいいですか?」
「冴島花恵です」
「花恵さんは、心の底から彼を愛していたんですね」

そして、また先生が腰を下ろす。

「私達。。高校1年生の時に出逢ったんです。流星が1コ上の先輩で・・。あたし、その頃すごく落ちこぼれで流星があたしを変えてくれたんです。それから付き合うようになったけど、ある日突然流星が姿を消して。そのまま3年が経っていて、地元から東京に上京した時に流星と偶然再会したんです。後から流星が苦しんでいたこを知って、あたし達はもう一度あの頃のように一からやり直そうって決めたんです。指輪も高校1年生の時にもらって流星がいなくなった後も、結局捨てられずに持っていました。だけど、それはあたしだけじゃなくて流星も同じだったんです。これからは、ずっと一緒にいようって約束したばかりなのに、結局あたし達は・・ほんの数か月しか一緒にいられませんでした・・」
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