白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「人はいつ何が起こるか分かりません。だから私達は今この瞬間を精一杯生きています。どんなに苦しいことがあったとしても。生きることを諦めてしまったら、そこで終わってしまう。ですが、生きていればきっと何かいいことがあると信じて私は生きています。まだ、自分の命が疲れていないと言っている限り、自分も頑張らないといけないんだと思います。だから花恵さんも流星くんの分まで生きてください」

あなたを失って、

あなたの声が聞けなくなってしまって・・。

今のあたしには何が残っているんだろう・・。

今のあたしには分からないけど、流星のためにあたしが今やらなきゃいけないことは、
「流星の分まで生きること」

流星がいない世界を、あたしはちゃんと生きていくことができるのかな?
不安だよ・・流星・・。

だけど、そう言ったら流星に怒られちゃうのかな?
あたし頑張れるかな・・。

「先生・・本当にありがとうございました」
そしてあたしは、先生に頭を下げた。
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