白い便箋を太陽に翳してみれば・・
咄嗟にあたしは、陸のところに行こうとして「陸、おは・・よ・・」
あたしは次の瞬間、体がフリーズしてしまった。
まるで金縛りにあっているみたいに足が全く動かなくて・・。

そこには、「陸~おはよっ」と、馴れ馴れしく陸に駆け寄ってくる女の子の姿。
そして女の子は、陸の腕に自分の手を回しながら、あたしの方に向かって歩いて来る。
隠れなきゃって思ったけど、体が言うこときかなくて、その場から動くことが出来なかった。

陸はまだ、あたしがいることに気づいていない様子。
どうしていいか分からず、その場で突っ立っていると陸があたしに気付いて、陸と目が合った。
その瞬間、陸は一瞬驚いた表情を見せたけど、あたしからすぐに目を逸らして、その後は何もなかったように女の子と歩いて、どこかに行ってしまった。

ねぇ、陸どういうこと?
今まで態度が冷たかったのって、あの女の子のことを好きになったからなの?
あたしは、今起きた現実を受け入れることが出来なかった。

今のであたしは、陸に振られたんだ。
陸はあたしを裏切ったってこと?

自然と涙が零れ落ちてきた。
そしてあたしは、知らないうちに無我夢中で走った。
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