白い便箋を太陽に翳してみれば・・
13 贈り物

side 花恵

今日は、カズキと一緒に流星が住んでいたアパートに行った。
それは、この部屋を片付けるため。
あたし一人でやるつもりだったんだけど、そのことをカズキに話したら一緒に手伝うって言ってくれた。
あたし一人じゃ分からないこともあるだろうし、それにカズキは流星と小さい頃からの仲だからすごく助かった。

相変わらず流星の部屋は、必要最低限の物しか置いてなくて、すぐに部屋は空っぽになった。
だけど、部屋の片づけをしている時に、カズキが音楽プレーヤーだけは出しておいてほしいって言われて、不思議に思いながらも流星の部屋は、空っぽの部屋と音楽プレーヤーだけが残った。

「花恵・・これ・・」
そう言ってカズキが、あたしに突然渡してきたある物。
「カセット・・?何これ・・」
「聴いたら分かる」

そして、再びカズキはカセットを持って音楽プレーヤーにセットした。
今の時代カセットは、あんまり使わないから新鮮だった。
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