白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「カズキ・・ありがとう」

あたしを見つめたまま、カズキは優しく笑った。

「んじゃーそろそろ出るか・・」
カズキの声であたし達は、流星の住んでいたアパートを後にした。

「花恵・・」
「うん?」
「アイツ・・流星さ、20歳っていう短い人生だったけど、きっと幸せだったはずだせ・・」

あたしは、そのままカズキを見た。

「色んなもん失って、いっぱい遠回りしたはずなんだ。だけど、その分沢山のものをアイツなりに見つけることが出来たんじゃねーかな・・」

そう言ってカズキは、空を見上げた。

雲一つない快晴。
その大きな青い空に向かってカズキは叫んだんだ。
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