白い便箋を太陽に翳してみれば・・

「花恵、おめでとう」

「・・え？喜んでくれるの・・？」
「何言ってるの。当たり前じゃない。花恵はもうお母さんになる覚悟は出来ているのよね？」
「うん。できてるよ」
「ならお母さんは何も言わないわ。流星くんもきっと喜んでくれているわね」

その言葉を聞いたと同時に、あたしの目から溢れんばかりの涙が伝った。

「大丈夫よ花恵。花恵は一人じゃないんだから。家族がいるじゃない」
電話越しのお母さんの声は、とても温かくてあたしに勇気を与えてくれた。
「ありがとう・・お母さん」
「私達がついてるわ。そういえば花恵、お母さんしばらく花恵の家に泊まってもいいかしら？」
「えっ？」

突然驚くようなことを言うお母さん。

「花恵が一人だと心配じゃない。これからは、お母さんになる準備もしなくちゃね」
「でも、お父さんは大丈夫なの？」
「大丈夫よ。お母さんが話しておくから」

それからしばらく話した後、あたしは電話を切った。