白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「花恵にしばらく会えなくなるのは、寂しいなぁ」なんて言いながら・・。
だいぶ、お腹も大きくなってきていて、最近あたしは大きいワンピースを着て過ごしている。
お腹に負担もかからなくて、あたしもすごく楽なんだ。

「あっ!今、赤ちゃんあたしのお腹蹴った!」
あたしは、びっくりして自分のお腹に手を当てる。
「赤ちゃんも早く出たいって言ってるのかもしれないわね~」と、隣で微笑むお母さんもなんだか嬉しそう。
「元気に産まれてきてね」
あたしは、そっと赤ちゃんに語りかけるように呟いた。


そして季節は、夏間近になった頃・・。

「冴島さん、赤ちゃんとっても元気ですよー」

三上先生は、女の先生で妊婦であるあたしは、すごく相談しやすい。

「ほんとですか?よかったぁ~」
「母子ともに体調もすごくいいですよ」
モニターに映る赤ちゃんは、前来た時よりもずいぶん大きくなっていた。
それがすごく嬉しかった。
「ありがとうございます」
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