白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「・・便箋?」

不思議に思いながらも、あたしはその場にしゃがみ込んだ。

そして聞こえてきた声。

「花恵・・。俺はずっと傍に居るから・・」

「え・・?」

あたしは、とっさに顔をあげた。
そこには、居るはずのない愛しい人の姿があった。

幻・・?


「流星・・。ずっと会いたかった・・」

あたしの目からは、溢れるほどの涙が頬を伝っていた。

「花恵、一人にしてごめん。だけど、俺はずっと花恵と光優の傍に居るから。ここに居る」

そう言って流星は、自分の胸に手を当てた。
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