白い便箋を太陽に翳してみれば・・
何気ない会話を二人でしていたら、花恵が慌てたように急に立ち上がって、ご飯を作るって言ってきて。
びっくりしたけど、素直に嬉しかった。
台所に立つ花恵は、何度も頭を悩ませながら一生懸命料理をを作ってくれていた。

これからも花恵とずっと一緒に居られたらなって、俺はそう思った。
しばらくした後、台所からいい匂いがしてきて、花恵が沢山料理を運んできてくれた。

俺は、たまらずその料理に手を伸ばす。
口に料理を運んだ瞬間、懐かしい味が広がった。
きっと俺は、その味を一生忘れないと思う。

それから二人でケーキを食べた。
いつもご飯をおろそかにしていた分、誰かとこうやって話しながらたべるご飯が、俺にとってすげー新鮮だった。

しばらくしてから、俺は花恵に指輪を渡した。
花恵は、泣いて喜んでくれたんだ。
好きな人が、ただ傍に居るだけでこんなに幸せに感じたのは、生まれて初めてだった。

花恵に出逢えて本当によかったって、俺はそう思った。
これから先も、ずっと花恵と笑っていたい・・。
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