白い便箋を太陽に翳してみれば・・
なのに・・。

たった一本の電話で、俺の人生がこんなにも大きく変わるなんて

想像もしていなかった・・。


いつかの日に俺が花恵と会って、家に帰ってきた時だった。

プルルルル・・

部屋に一本の電話の音が鳴り響いた。

「もしもし」
「北澤さんのお宅でよろしいでしょうか?」

電話の声は、聞いたこともない女の声だった。

「そうですけど・・」
「私、東京の〇〇総合病院で看護師をしている坂口と申します。たいへんお伝えしづらいのですが、夕方北澤さんのお母様がお亡くなりになられました」
「・・・」

正直、あの時の俺は頭が真っ白だった。
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