白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「ちょっと言っている意味が分かんないんすけど・・」

ってかなんで俺を捨てた母さんが、今になって出てくるんだよ・・。

母さんが死んだ・・?
嘘だろ・・?

「とにかく出来るだけ早く病院に来ていただけませんか?」
「・・はい」

俺は、理解も出来ずに頷いて、そのまま電話を切った。
それから休日に、俺はすぐに東京に向かった。
病院までの道は、看護師の坂口って女に聞いてあったから、なんとか辿り着けた。

そこで俺は見たんだ・・。

何年振りかの母さんの姿を・・。
まさか、こんな形で母さんと再会するなんて思いもしなかった。

病室には、俺以外に母さんの知り合いが数人いて、そこで全てを知った。
俺を捨てた母さんは、すぐに東京に来て借金取りに追われていた。
それで、精神的にも追いやられて病気になって死んだ・・。
< 290 / 350 >

この作品をシェア

pagetop