白い便箋を太陽に翳してみれば・・
ふざけんなよ・・。
俺は、知らないうちに自分の拳を握りしめていた。


「北澤流星さんですか・・?この前お電話した坂口です」

気づけば、俺の隣に一人の看護師が立っていた。
30代後半くらいの小柄な看護師。
すかさず俺は、看護師の坂口さんに頭を下げた。

ってか・・。

「なんで俺の名前知ってるんすか?」

考えてみれば、なんで俺の電話番号も坂口さんが電話出来たのか・・。
不思議なことだらけだ。

坂口さんは、一回柔らかい笑みを浮かべた後、「座ってください」と、俺を椅子に座らせた。
そして、思いもよらないことを言われたんだ。

「流星くんは、ちゃんとお母さんに愛されていたんだね」と・・。
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