白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「えっ?・・それはないっすね・・」
苦笑気味に笑って、俺はそう言った。
坂口さんは、そんな俺を見てどことなく悲しそうに笑った。
「あなたのお母さんがこの病院に入院されていた時から、よく流星くんのことを聞かされていたんですよ。というか・・ほとんどが流星くんの話だったかな・・」
「・・どういうことっすか・・?」
「いつも暇さえあれば流星くんの話ばかりで。今、流星は何してるのかなー?とか、流星大きくなったかなー?って、そればっかりでしたよ。そして、いつもお母さんは泣いていました。大切な息子を一人にさせてしまったこと。弱い自分が本当に情けないこと、ずっと悔やんでいました。流星くんのお誕生日くらいしか母親らしいことが出来ないからって。あなたのお母さんが、この病院に入院されてから、もう結構経つんです。病気のこともそうだったけど、精神的にも体が弱っていました。きっと、あなたのお母さんは流星くんのところに帰りたかったんだと思います。でも、病気にもなって今さら自分を捨てた母親が戻ってきても、結局はまた傷つけることになるんじゃないかって・・。だから、流星くんのお誕生日になるとね、いつも窓の方を見て「流星、お誕生日おめでとう」って祝っていたんです。そのプレゼントも私が代わりに出しに行ってたんですよ」
苦笑気味に笑って、俺はそう言った。
坂口さんは、そんな俺を見てどことなく悲しそうに笑った。
「あなたのお母さんがこの病院に入院されていた時から、よく流星くんのことを聞かされていたんですよ。というか・・ほとんどが流星くんの話だったかな・・」
「・・どういうことっすか・・?」
「いつも暇さえあれば流星くんの話ばかりで。今、流星は何してるのかなー?とか、流星大きくなったかなー?って、そればっかりでしたよ。そして、いつもお母さんは泣いていました。大切な息子を一人にさせてしまったこと。弱い自分が本当に情けないこと、ずっと悔やんでいました。流星くんのお誕生日くらいしか母親らしいことが出来ないからって。あなたのお母さんが、この病院に入院されてから、もう結構経つんです。病気のこともそうだったけど、精神的にも体が弱っていました。きっと、あなたのお母さんは流星くんのところに帰りたかったんだと思います。でも、病気にもなって今さら自分を捨てた母親が戻ってきても、結局はまた傷つけることになるんじゃないかって・・。だから、流星くんのお誕生日になるとね、いつも窓の方を見て「流星、お誕生日おめでとう」って祝っていたんです。そのプレゼントも私が代わりに出しに行ってたんですよ」