白い便箋を太陽に翳してみれば・・
ごめんな・・母さん・・。

そして、ありがとう。

それから俺は、ある決心をしたんだ・・。



「花恵と別れること」

本当は、別れるなんて選択はしたくなかった。
俺がずっと傍で花恵を守りたかった。
だけど、俺の家族のことを全て打ち明けたところで、花恵はどう思うのか・・。
また父さんや母さんみたいに俺の前からいなくなってしまったら・・。
誰だって俺のようなあんな過去を背負いながら生きているって知ったら、離れていくに決まってる・・。

きっと花恵は、俺と一緒にいたって不幸になるだけだから。
だったら、いっそのこと俺から離れれば・・。
俺って、こんなに弱い人間なんだなって改めて気づかされた。

借金も返さないといけない今、俺と一緒にいたら危険だ。
第一、何されるかわからねぇ・・。
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