白い便箋を太陽に翳してみれば・・
だけど少しの間、ここに戻ってくることが出来たんだ。

限られた時間の中で、俺は必死に花恵の声に耳を傾けた。


「早く!流星くんの手を握ってあげてください!」

すると、右手に愛しい人の温もりを感じた。

「流星くん頑張るんだ!生きるんだ!こんな素敵な彼女さんを一人になんかさせちゃダメだ!」

きっと心臓マッサージをしてくれている先生の声なんだろう・・。

そうだよな・・。
こんな素敵な彼女を一人になんかさせちゃだめなのにな・・。

俺がずっと傍で守ってあげてぇーのに・・。

ごめんな・・花恵・・。
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