副社長の初めての相手は誰?
 季節は夏。

 真夏の太陽がギラギラしている中。


 宗田ホールディング自社ビル前に、1人の女性が立っていた。


 背が高く推定175センチありそうな女性。

 ベリーショートの茶色い髪に、グレーのパンツスーツに黒い靴。

 大きなバッグを持って、キャリアウーマンのようにカッコいい。

 背が高くてガッチリしている体格から、男性的に見える女性であるが。


 穏やかそうな面長の顔に、クールな切れ長の目が魅力的で、唇はプルンとしている。

 まるでモデルのような女性。


 

「すみません」


 ビルに入って来た女性が、受付嬢に声をかけた。


 受付の若い女性2人は、ハッと驚いた目をした。



 受付の前に佇む女性は、とても凛としている。

 男性的なのに女性としての魅力もあって、見ていると吸い込まれそうになる…。


「申し訳ございません。私、こうゆう者です」


 女性は受付嬢に名刺を渡した。



 名刺には、国際弁護士と表記され、名前が秋田希歩(あきた・きほ)と書かれている。

 事務所の住所は金奈市内である。


「恐れ入りますが、社長様にお会いさせて頂けますでしょうか? 」


「お約束はされていますか? 」


「いえ、アポイントが必要でしょうか? 」


「少しお待ち下さい」


 受付嬢が内線をかけた。


「社長、国際弁護士の秋田様とおっしゃっれる方が社長にご面会を希望されておりますが、お通ししても宜しいでしょうか? …はい…分かりました」


 内線を切ると受付嬢が希歩を見た。


「どうぞ、最上階の西側が社長室でございます」

「ありがとうございます」



 エレベーターに向かう希歩。


 
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