副社長の初めての相手は誰?
病院の外に出てくると、海斗は携帯電話を取り出した。
電話をかけると海斗。
「もしもし? …例の物はできあがったか? …そうか、じゃあ午後一番でやるか。…ああ、そろそろ反撃の時だろう…」
ちょっと怖い目をして遠くを見ている海斗。
真夏の太陽がギラギラと輝き、今日も暑くなりそうだ。
宗田ホールディング。
副社長室で春美が椅子に座って、とてもご機嫌そうに笑っている。
「今頃あのストーカー女、死んでるかしら? 」
満足そうに笑っている春美。
ピピッ…ピピッ…。
春美の携帯電話が鳴った。
「はい、もしもし」
(…私だが…)
電話の向こうから男性の声が聞こえた。
「まぁ、どうしたの? こんな時間に電話してくれるなんて。もしかして、今夜も私に会いたいの? 」
(そうじゃない)
「え? じゃあ何? 」
(いや、もう会えないんだ君とは)
「はぁ? 」
ニコニコしていた春美の顔が、一挙に豹変して怖い顔になった。
(今後二度と、会う事はない)
「なにそれ、どうゆう事? 私を裏切るの? 」
(裏切るわけじゃない。元々君も人妻じゃないか。そろそろ、こんな関係は終わらせなくちゃならないと思っただけだ)
「どうして? 貴方だって奥さんに満足していなんでしょう? 」
(確かにそうだが、君にも満足しなくなった。それだけだ)
「なにそれ、私を捨てるの? 許さないわよ! 」
(不倫と言うのは、こんなものだ。お互い体だけ求めていただけじゃないか。その関係が終わるだけだ)
「そんなの許さない! 勝手すぎるわ。奥さんにバラすわよ! あんたの写真、持っているんだから私」
(構わないと。やれるなら、気がすむようにやればいい)
「なによそれ…」
(じゃあ、これで・・・)
電話が切れた。
「許さない…」
春美は携帯電話を握り締め、憎悪に満ちた怖い顔になった。
と…
ピコッ…。
メールの受信音が鳴った。
メールを見る春美。
「はぁ? 」
めーるを見た春美が驚いて真っ青になった。
そのメールは…