副社長の初めての相手は誰?
「は、はい」
「お父さん、血液型は何型ですか? 」
「僕はAB型です」
「よかった、でしたら輸血をお願いします。出血が酷かったので、輸血が必要なんです」
「わかりました、どんだけでも採って下さい! 」
「では、こちらに」
医師に案内され、優輝は処置室へ入って行った。
しばらくして。
優輝の輸血のおかげで、忍は一命を取り留め無事に手当ても済んで病室へ移された。
1週間ほど入院になった忍。
忍が病室に運ばれる頃に、希歩が駆けつけてきた。
病室に来ると、希歩は真っ青な顔をしていた。
「忍…」
真っ青な顔で希歩は忍の傍に行くと、その場に崩れてしまった。
「…ごめんなさい…」
その場に崩れて、希歩は泣き出してしまった。
優輝はそんな希歩の傍に行って、そっと肩に手を置いた。
「もう大丈夫だよ。頭を怪我しているけど、脳波に異常はないから心配いらないって。1週間程様子を見るために、入院になったけど。もう大丈夫だって、言っていたよ」
「…すみません。…ご迷惑をおかけしてしまって…」
「気にしないで。偶然だけど、通りかかったんだ」
「そうだったんですね…有難うございます…」
優輝はそっと希歩を抱きしめた。
抱きしめられて、驚いた希歩は優輝を突き放そうとしたが、ギュッと強く抱きしめられていて離れられなかった。
「いいから、暫くこのままで…」