副社長の初めての相手は誰?
「返事は急がないから。まだ僕も、解決しなくちゃならない事があるから。忍君が元気になるまで、待っているから」
待っているって言われても…。
どう答えていいのか、希歩には分からなかった。
「絢はどうしているの? 」
「家で待っています」
「1人でいるの? 」
「はい」
「じゃあ、絢の所に帰ってあげて。忍君は、僕が見ているから」
「でも…」
「目が覚めた時に、お母さんが来た事はちゃんと伝えるよ。絢の事もあるから、一度家に戻ったって話しておくよ。絢を一人のままには、できないでしょう? 」
「…わかりました…」
複雑な気持ちのまま、希歩は忍を優輝に任せて家に戻る事にした。