副社長の初めての相手は誰?

 売りに出していた宗田家の家は無事に買い手がついて、売却が決まった。

 そして新築していた家も完成に向かっている。


 
 宗田ホールディングも騒然とした事件が落ち着き、和気あいあいとした穏やかな職場に戻って来て落ち着いている。



 優輝は落ち着いたところで、希歩の事を社員達に紹介した。

 
 社内メールで結婚の報告と、今までの経緯を報告した優輝。


 社内メールを見た社員達は、優輝が幸せになった事にホッとしていた。

 受け付けで希歩を見たことがある受付嬢は

「あの人だ…」

「あのとっても綺麗な人なら、副社長にお似合いね」


 と言っていた。


 誰も希歩が10年前にAVに出ていると、嘘のメールを送られた彼女だとは気づかないままだった。


 
 

 

 穏やかに時は流れて行き…

 冬が来て…

 春が来て…

 
 絢と忍は6年生になり小学校最後の年を迎えた。

 2人とも金奈中学校に進学する。


 6年生になり、絢は大人の女性っぽくなってきた。

 まだまだ甘えている部分はあるが、お姉ちゃんとしてしっかりしている。


 忍はますます優輝とそっくりになってきた。

 性格はツンデレみたいで、ちょっと素直じゃないが、相変わらず女の子にモテている。

 彼女候補まで居るくらいである。

 背も高くなって、少年よりも青年っぽく近づいてきた忍。



 2人が成長して優輝も希歩もとても喜んでいる。


 新しく新築した宗田家も完成して、今はみんなで新築した家に移り住み暮らしている。

 学校からも近くて、絢も忍も大喜びしている。








 順調に月日が過ぎて…。


 暑い夏がやって来た。


 夏休みを迎えて1週間経過するくらいに。


 宗田家に新しい命が誕生した。


 予定日より1週間早く産まれたが、とても元気な赤ちゃんは男の子。


 希歩に似ている美形の男の子。

 名前は幸太(こうた)と名づけられた。



 絢も忍も大喜び。

 優も光も孫が増えたと喜んでいる。


 優輝は出産に立ちあったことで、感動して泣いているくらいだった。

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