何度だってさよならをするのは、だってキミが好きだから。
プロローグ

 本当はいつだってみんなを羨ましいと思っていた。

 だって、女の子なら誰しも一度は夢見る羨んで止まない高校生活がそこにはあった。

 高校生。

それはとても魅力的なものだった。

 放課後に友達と行くカフェ。

 きっと甘いケーキとほろ苦いカフェラテとかを頼むんだ。

バイトでお金を稼いだり、沢山の出し物が出る文化祭におやつやスマホの持ち込みだったり。

お化粧をして髪を染めてパーマもできて、学校に行くのでさえお洒落もできて。

 それから青春の王道、恋。

視界に入るだけで、すれ違うだけで、挨拶を交しただけで心が舞い上がってしまうような素敵な恋。

 高校生ならではの楽しみやつらい事。

 高校生としてしか経験できない青春。

 小学校低学年まで読んでいた漫画の世界ではどれもがキラキラと輝いていて、私もその光を纏うんだって楽しみにしていた。

 だけど私には分からなくなってしまった。

 いつの間にか、私だって持っていたはずの小さな光の粒を見失った。

 気づいた頃にはもう遅くって、臆病な私には今更どうすることも出来なくなっていた。
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