その表情を手に入れたい
私と華奈はA組。
隼人はC組だった。
「ま、お互い頑張ろうな!」
「うん!隼人もね!私と華奈も楽しむよ!」
A組か........どんなクラスなんだろうと期待に胸をふくらませ、教室に入る。
ガヤガヤガヤガヤ
騒がしい。1番最初に聞こえてきたのは、
クラスの中心になるであろう、ギャルっぽいメイクをした、気の強そうな女の子が机に座り、
「やぁだぁ、やめてよっ」
同じ学校だった人との会話を楽しんでいる様子。
正直、周りの目を気にしないで自由にする
タイプは非常に苦手なんだよなあ........。
あんまり関わらないで置こう........。
席は........出席番号順か........
私は熊谷 凛(くまがや りん)だから
割と最初の方だ。11番だから、
窓際の1番後ろの左の席だ。
1番後ろか........なんて考えていると
「凛っ!顔が怖いよwwwどうしたの?凛らしくないよ笑わなきゃ、ね?」
といって、人差し指を華奈の可愛らしいえくぼに
当てて、口角を上げてみせる。
華奈の可愛さに思わず安堵する。
私緊張してるんだなあ........
私が緊張しているのにもちゃんと理由がある。
それは数ヶ月前、高校デビューする前の話の
華奈とのちょっとした宣言のせいでもある。