その表情を手に入れたい



「凛ー」

何気に名前を呼ばれる。


「ん?」


「凛はさ彼氏欲しくないの?」

唐突の質問に少し沈黙が流れた

「うーん。欲しくないっていうか
欲しいけど、そんな勇気ないって感じかな....」


「凛笑ってれば可愛いし、好きな子いっぱいいると思うんだけどなあ」

華奈の方がめちゃ可愛いのになとか思いながら、
引っかかったところをつっこむ

「え、笑ってれば可愛いってか笑ってなかった可愛くないの?」


「違う違う、そんなつもりじゃないよ!」

慌てて否定する華奈を見て、思わず吹き出してしまう

「じゃあさ、彼氏作るの高校デビューしたらめっちゃ頑張らない?」

華奈がニヤニヤしながら提案してきた

「いいね!それ、なんか燃えるよね!華奈には負けたくないなあ」

「私もだよ!凛には負けたくない!」

でも、もっと競争心を高めたいから期限を決めようという流れになった。

「じゃあクリスマスで!」

「よっしゃぁ燃えてきたぁぁあ!!!」
私は空に叫び込むように体をそらす。まるで
応援団長のように見えただろう。




「もうっ!緊張してるのは華奈も関わってるんだからねっ!」


えっ、どうして?みたいに口を半開きにさせた
華奈の口に人差し指を当てて、口角を上げる。
2人で、口角の上げあいをしていたら、休憩時間も終わり、チャイムが鳴った。
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