夜空に君という名のスピカを探して。
『息が苦しくなるくらいに、ただただ走ったの』
そう、あのときの苦しさはただ息が切れていたからじゃない。
理解されなかったことに苦しんでいたのだ。
『そのまま突っ走って道路に飛び出したら、もう幽霊になってて宙くんに憑りついてた』
「っ……じゃあ、楓は……」
彼の言いかけた言葉は、おそらくこうだ。
交通事故で死んだのか、と。
続きを言えなかったのは、私の死を悲しんでくれている宙くんの優しさだろう。
『私、宙くんが自分の夢と向き合う姿を見て、自分に足りなかったものに気づけたの』
宙くんは天文学者になる夢を否定されても、自分の力で叶える覚悟をもっていた。
奨学金を借りて苦労してでも頑張るんだという熱意がご両親にも伝わったから、応援してもらえたのだと思う。
──なら、私はどうだった?
ただ夢を語って認められないことに喚いて、それを叶えるためになにを努力するのか、ちゃんと考えていなかった。
彼に出会うまで、私は諦めないことの意味を分かっていなかったのだ。
『宙くんは、私にはない強さを持ってる』
「なんだよ、やけに褒めるな」
『ちゃんと伝えておきたかったの』
伝えられなくなる日が来る前に、という言葉が喉まで出かかった。
でも言ったらきっと、君は悲しむだろうからグッと飲み込む。
『できることなら、ずっと……。一緒にいたかったなー、なんて』
本気の言葉を冗談で包み隠す。
君にどう思われるのかが怖くて、自分の本音をそのまま語る勇気が出なかったのだ。
君は迷惑かもしれないけれど、私は宙くんの描く夢を、それを懸命に追う姿を最後まで見届けたかった。
いつからか、宙くんと一緒に私も生きているような気がしてた。
そしてこれは伝えるべきか迷ったけれど、私は……。
そう、あのときの苦しさはただ息が切れていたからじゃない。
理解されなかったことに苦しんでいたのだ。
『そのまま突っ走って道路に飛び出したら、もう幽霊になってて宙くんに憑りついてた』
「っ……じゃあ、楓は……」
彼の言いかけた言葉は、おそらくこうだ。
交通事故で死んだのか、と。
続きを言えなかったのは、私の死を悲しんでくれている宙くんの優しさだろう。
『私、宙くんが自分の夢と向き合う姿を見て、自分に足りなかったものに気づけたの』
宙くんは天文学者になる夢を否定されても、自分の力で叶える覚悟をもっていた。
奨学金を借りて苦労してでも頑張るんだという熱意がご両親にも伝わったから、応援してもらえたのだと思う。
──なら、私はどうだった?
ただ夢を語って認められないことに喚いて、それを叶えるためになにを努力するのか、ちゃんと考えていなかった。
彼に出会うまで、私は諦めないことの意味を分かっていなかったのだ。
『宙くんは、私にはない強さを持ってる』
「なんだよ、やけに褒めるな」
『ちゃんと伝えておきたかったの』
伝えられなくなる日が来る前に、という言葉が喉まで出かかった。
でも言ったらきっと、君は悲しむだろうからグッと飲み込む。
『できることなら、ずっと……。一緒にいたかったなー、なんて』
本気の言葉を冗談で包み隠す。
君にどう思われるのかが怖くて、自分の本音をそのまま語る勇気が出なかったのだ。
君は迷惑かもしれないけれど、私は宙くんの描く夢を、それを懸命に追う姿を最後まで見届けたかった。
いつからか、宙くんと一緒に私も生きているような気がしてた。
そしてこれは伝えるべきか迷ったけれど、私は……。