夜空に君という名のスピカを探して。
『私は死んじゃってるんだよ……』
「っ……でもこうして、俺と言葉を交わしてる。ちゃんとこの世界に存在してる!」
こんな奇跡、もう二度と起きない。
それは私にとって幸せな時間であり、別れという最大の痛みを残す。
それでも、君と出会えてよかったと迷いなく言える。
「頼むから、消えるなよ……っ」
『……っ、うぅっ、……あぁ、消えたくない、なぁ』
ポロポロと泣いて、歪む視界で彼が見ている星空を目に焼きつける。
この空を宙くんと永遠に見続けられたら、どれほど幸せだっただろう。
『でも……きっと、私にはもう……』
宙くんと一緒にいられる時間は少ない。
少しずつ起きていられる時間が短くなっているから、確実に消えるときは近づいている。
「せめて、残された時間は一緒にいてくれ」
『え……?』
「俺のために、時間を使ってくれないか」
『宙くんのために?』
「お前は勝手に俺の前に現れて勝手に消えるんだから、それくらいしてくれてもいいだろ」
横暴な物言いに聞こえるけれど、そうじゃない。
私を必要としてくれているからこその言葉だった。
それに彼のお願いは、私に幸福しかもたらさない。
君の得になることなんて、あるのだろうか。
「それで、物書きになりたいって夢を今から叶えるぞ」
『……急になに言ってるの?』
「急にじゃない、お前のためになにかしたいってずっと考えてたんだ」
『叶えるって、私は死んでるんだよ? 無理に決まってる』
不意打ちに告げられた宙くんの提案は、現実味もない上にクレイジーだ。
私は信じられない思いで、驚きの声を上げる。
「っ……でもこうして、俺と言葉を交わしてる。ちゃんとこの世界に存在してる!」
こんな奇跡、もう二度と起きない。
それは私にとって幸せな時間であり、別れという最大の痛みを残す。
それでも、君と出会えてよかったと迷いなく言える。
「頼むから、消えるなよ……っ」
『……っ、うぅっ、……あぁ、消えたくない、なぁ』
ポロポロと泣いて、歪む視界で彼が見ている星空を目に焼きつける。
この空を宙くんと永遠に見続けられたら、どれほど幸せだっただろう。
『でも……きっと、私にはもう……』
宙くんと一緒にいられる時間は少ない。
少しずつ起きていられる時間が短くなっているから、確実に消えるときは近づいている。
「せめて、残された時間は一緒にいてくれ」
『え……?』
「俺のために、時間を使ってくれないか」
『宙くんのために?』
「お前は勝手に俺の前に現れて勝手に消えるんだから、それくらいしてくれてもいいだろ」
横暴な物言いに聞こえるけれど、そうじゃない。
私を必要としてくれているからこその言葉だった。
それに彼のお願いは、私に幸福しかもたらさない。
君の得になることなんて、あるのだろうか。
「それで、物書きになりたいって夢を今から叶えるぞ」
『……急になに言ってるの?』
「急にじゃない、お前のためになにかしたいってずっと考えてたんだ」
『叶えるって、私は死んでるんだよ? 無理に決まってる』
不意打ちに告げられた宙くんの提案は、現実味もない上にクレイジーだ。
私は信じられない思いで、驚きの声を上げる。