夜空に君という名のスピカを探して。
「俺の身体を使ったらいい。それで、俺が楓の読者一号っていうのはどうだ?」
『なんで……そこまでしてくれるの?』
「言ったろ、ずっと考えてたって。これでも俺なりに精一杯考えたんだぞ、不服か」
また、そんなことを言って。
私が不服なわけがない、むしろ嬉しいに決まっている。
それは小説を書けることにではなく、君が私のためになにかしようと考えてくれたことに対してだ。
『もう、宙くんって不器用だよね』
「おい、緊張してたのに傷を抉るな」
『ごめん、ごめん。嬉しいに決まってるよ、ありがとう』
もう叶えられないと思ってた。
その夢に少しでも触れられるなんて、それこそ夢みたいだ。
感動して、私はまた泣きそうになる。
「俺たちふたりで叶えよう」
『私たち、ふたりで……か』
「前に俺の夢を打ち明けたのも、ここだったな」
『そうだね。ふふっ、宙くんは天文学者に』
「楓は物書きに」
『本当に望んでるものはなんなんだろうって、一緒に悩んだよね』
「あぁ、お前のおかげで俺は見失わずにすんだ」
そう言って星空を見上げる彼の視線の先にあるのは、やっぱりスピカだった。
ここは私たちにとって特別。
描けなかっただろう夢に、一歩踏みだすきっかけをくれた大切な場所なのだ。
「楓の夢は、俺が応援する。世界中の人間が否定しても、俺だけは楓の味方だ」
『っ……もうっ、嬉しくて死ぬ。いや、もう死んでるけど』
「おい、笑えない冗談を言うな」
『ははは、そこはお世辞でも笑ってよ』
本当に欲しかった言葉を宙くんがくれた。
ありがとう、私に夢をくれて。
ありがとう、私と出会ってくれて。
言葉で表すと薄っぺらくなってしまうくらい、彼への感謝の気持ちでいっぱいだ。
人って不思議なもので、嬉しかったり幸せを感じているときは世界が色づいて見える。
だから今日の星空はいっそう美しい。
いつか私が世界から消えてしまっても、この景色と宙くんの言葉だけは忘れたくないなと、心の底から思った。
『なんで……そこまでしてくれるの?』
「言ったろ、ずっと考えてたって。これでも俺なりに精一杯考えたんだぞ、不服か」
また、そんなことを言って。
私が不服なわけがない、むしろ嬉しいに決まっている。
それは小説を書けることにではなく、君が私のためになにかしようと考えてくれたことに対してだ。
『もう、宙くんって不器用だよね』
「おい、緊張してたのに傷を抉るな」
『ごめん、ごめん。嬉しいに決まってるよ、ありがとう』
もう叶えられないと思ってた。
その夢に少しでも触れられるなんて、それこそ夢みたいだ。
感動して、私はまた泣きそうになる。
「俺たちふたりで叶えよう」
『私たち、ふたりで……か』
「前に俺の夢を打ち明けたのも、ここだったな」
『そうだね。ふふっ、宙くんは天文学者に』
「楓は物書きに」
『本当に望んでるものはなんなんだろうって、一緒に悩んだよね』
「あぁ、お前のおかげで俺は見失わずにすんだ」
そう言って星空を見上げる彼の視線の先にあるのは、やっぱりスピカだった。
ここは私たちにとって特別。
描けなかっただろう夢に、一歩踏みだすきっかけをくれた大切な場所なのだ。
「楓の夢は、俺が応援する。世界中の人間が否定しても、俺だけは楓の味方だ」
『っ……もうっ、嬉しくて死ぬ。いや、もう死んでるけど』
「おい、笑えない冗談を言うな」
『ははは、そこはお世辞でも笑ってよ』
本当に欲しかった言葉を宙くんがくれた。
ありがとう、私に夢をくれて。
ありがとう、私と出会ってくれて。
言葉で表すと薄っぺらくなってしまうくらい、彼への感謝の気持ちでいっぱいだ。
人って不思議なもので、嬉しかったり幸せを感じているときは世界が色づいて見える。
だから今日の星空はいっそう美しい。
いつか私が世界から消えてしまっても、この景色と宙くんの言葉だけは忘れたくないなと、心の底から思った。