夜空に君という名のスピカを探して。
二章 君のデイリー
──ジリリリリッ。
聞き覚えのない目覚まし音に、泥沼に沈んでいた意識が急速に浮上する。
うるさいな、まだ眠いのに。
ハッキリしない意識の中で文句を言って、そういえば私の目覚ましってこんなに単調だったっけと疑問に思う。
よくよく考えれば、私の目覚まし音は好きなアーティストの曲になっているはずだ。
「ん……朝か」
軽く混乱していると、聞き覚えのない低い声が聞こえた。
それは確かに私の声帯を震わせて、私の口から発せられているはずなのに、私のものではない違和感。
私の意識に関わらず、ゆっくりと目が開けられると眩しい光が差し込んだ。
やがて目が光に順応してくると、自分が見たこともない部屋にいることに気づく。
なっ、なんじゃこりゃ! と、心の中で悲鳴を上げる。
人間、本当に不可解な出来事に遭遇すると、心が先に叫ぶらしい。
私はパニック状態で、とりあえず周りを見渡して情報を収集しようと試みる。
自分に起こっている状況を把握する材料が、圧倒的に少ないからだ。
部屋はベッドやカーテン、絨毯に至るまで紺色に統一されており、机や棚には参考書や文庫本がぎっしりと並べられている。
なによりいちばん目を惹かれたのは、私の腰の高さまである大きな望遠鏡だ。
聞き覚えのない目覚まし音に、泥沼に沈んでいた意識が急速に浮上する。
うるさいな、まだ眠いのに。
ハッキリしない意識の中で文句を言って、そういえば私の目覚ましってこんなに単調だったっけと疑問に思う。
よくよく考えれば、私の目覚まし音は好きなアーティストの曲になっているはずだ。
「ん……朝か」
軽く混乱していると、聞き覚えのない低い声が聞こえた。
それは確かに私の声帯を震わせて、私の口から発せられているはずなのに、私のものではない違和感。
私の意識に関わらず、ゆっくりと目が開けられると眩しい光が差し込んだ。
やがて目が光に順応してくると、自分が見たこともない部屋にいることに気づく。
なっ、なんじゃこりゃ! と、心の中で悲鳴を上げる。
人間、本当に不可解な出来事に遭遇すると、心が先に叫ぶらしい。
私はパニック状態で、とりあえず周りを見渡して情報を収集しようと試みる。
自分に起こっている状況を把握する材料が、圧倒的に少ないからだ。
部屋はベッドやカーテン、絨毯に至るまで紺色に統一されており、机や棚には参考書や文庫本がぎっしりと並べられている。
なによりいちばん目を惹かれたのは、私の腰の高さまである大きな望遠鏡だ。