夜空に君という名のスピカを探して。
『う、うそ……。いや、まてまて』
私の身体にしては、筋肉質すぎる。
これではまるで、男性のようじゃないか。
見間違いであることを神様に願いながら身体を確かめようとすると、指先ひとつ動かせないことに気づく。
『ちょっと、これどうなってんの!』
「なんなんださっきから、お前は誰なんだ! ここは俺の部屋だぞ、どこの誰かは知らないが、隠れてるなら出てこい」
『そっちこそ、私を誘拐したんでしょ! 早く姿を見せなさいよ!』
私は姿のない誰かと言い合っているのだが、声は確かに自分から発せられている。
逆に私の声は声帯を介することなく、身体の中でマイクのエコーのように響いていた。
『もう、どういう状況なの? 説明して!』
「お前が説明しろ!」
彼がもくろんだことでは、ないのだろうか。
私たちは同時にパニックを起こしており、事態の収拾がつかない。
「ひ、ひとまず落ち着け……。お前は誰だ?」
私じゃない誰かが身体を乗っ取ったみたいに、勝手にベッドに座る。
いや、逆だ。
この身体の感じ、よくよく考えると私のものとは違う気がする。
私の身体にしては、筋肉質すぎる。
これではまるで、男性のようじゃないか。
見間違いであることを神様に願いながら身体を確かめようとすると、指先ひとつ動かせないことに気づく。
『ちょっと、これどうなってんの!』
「なんなんださっきから、お前は誰なんだ! ここは俺の部屋だぞ、どこの誰かは知らないが、隠れてるなら出てこい」
『そっちこそ、私を誘拐したんでしょ! 早く姿を見せなさいよ!』
私は姿のない誰かと言い合っているのだが、声は確かに自分から発せられている。
逆に私の声は声帯を介することなく、身体の中でマイクのエコーのように響いていた。
『もう、どういう状況なの? 説明して!』
「お前が説明しろ!」
彼がもくろんだことでは、ないのだろうか。
私たちは同時にパニックを起こしており、事態の収拾がつかない。
「ひ、ひとまず落ち着け……。お前は誰だ?」
私じゃない誰かが身体を乗っ取ったみたいに、勝手にベッドに座る。
いや、逆だ。
この身体の感じ、よくよく考えると私のものとは違う気がする。