夜空に君という名のスピカを探して。
「今日のホームルームで委員会決めをしてほしいって、先生から頼まれたんだ」
「そうか、ならやろうか」
前田さんとの会話中、声の感じに変化はないけれど胸がずっと騒いでいる。
これってまさか、もしかしなくても加賀見くんは前田さんに気があるのではないだろうか。
「加賀見くんがいてくれて安心するよ。私、人前で話すの苦手で……」
「ぜんぶ俺がやるから、安心していい」
へぇ……、優しいところもあるじゃん。
なんて、上から目線の感想を抱く。
さっきまで私に悪態をついていた加賀見くんとは、同一人物に見えないほどの変わりようだ。
加賀見くんは有言実行とばかりに席を離れると凛とした姿勢で教卓の前に立ち、クラスメートの顔を見渡す。
「皆、聞いてくれ。すでにクラス委員は決まっているが、三年度の委員会決めはまだなので、この時間を使って決めさせてほしい」
前田さんも同じクラス委員なのだろう。
率先して仕切る加賀見くんの隣にちょこんと立っている。
人前に出るのが苦手な彼女に代わって堂々と発言する加賀見くんの姿に、クラスメートが尊敬の眼差しを向けていた。
私が話しているわけではないのに、なんか優越感を感じる。
平凡な私とは違って、彼は皆から慕われる優等生でもあるらしい。
私とは違う人生を生きる加賀見宙がどういう人間なのか、もっと興味がわいた。
「そうか、ならやろうか」
前田さんとの会話中、声の感じに変化はないけれど胸がずっと騒いでいる。
これってまさか、もしかしなくても加賀見くんは前田さんに気があるのではないだろうか。
「加賀見くんがいてくれて安心するよ。私、人前で話すの苦手で……」
「ぜんぶ俺がやるから、安心していい」
へぇ……、優しいところもあるじゃん。
なんて、上から目線の感想を抱く。
さっきまで私に悪態をついていた加賀見くんとは、同一人物に見えないほどの変わりようだ。
加賀見くんは有言実行とばかりに席を離れると凛とした姿勢で教卓の前に立ち、クラスメートの顔を見渡す。
「皆、聞いてくれ。すでにクラス委員は決まっているが、三年度の委員会決めはまだなので、この時間を使って決めさせてほしい」
前田さんも同じクラス委員なのだろう。
率先して仕切る加賀見くんの隣にちょこんと立っている。
人前に出るのが苦手な彼女に代わって堂々と発言する加賀見くんの姿に、クラスメートが尊敬の眼差しを向けていた。
私が話しているわけではないのに、なんか優越感を感じる。
平凡な私とは違って、彼は皆から慕われる優等生でもあるらしい。
私とは違う人生を生きる加賀見宙がどういう人間なのか、もっと興味がわいた。