夜空に君という名のスピカを探して。
──そう、私の夢は『物書き』になることだ。
きっかけは、高校一年生のときに書いた文化祭の劇の脚本。
白雪姫という定番な童話をリメイクしたのだが、原作とは全く違う世界観でオリジナリティーがあると生徒たちから絶賛された。
舞台の幕が下りるとき、どっとわいた歓声と拍手に鳥肌が立つほど感動したのを覚えている。
自分の手で生み出したものが、誰かの感情を動かせたこと。
それがすごく嬉しかったから、小説でも脚本でもいい。この手で物語を綴る物書きになりたいと強く思った。
「かーえーでっ!」
「ぐふっ……」
突然、うしろから抱きついてきた誰かの腕は悪気はないのだろうが、私の首をホールドして締め上げている。
「く、苦しいっ……首、軽く締まってる!」
「あっ、ごめんね楓」
肩のあたりで切り揃えられた茶髪の彼女は、悪びれた様子もなくはつらつとした目元を細めてへらっと笑った。
彼女とは高校一年生からの付き合いで、私の数少ない親友のひとり、時枝 彩(ときえだ あや)だ。
きっかけは、高校一年生のときに書いた文化祭の劇の脚本。
白雪姫という定番な童話をリメイクしたのだが、原作とは全く違う世界観でオリジナリティーがあると生徒たちから絶賛された。
舞台の幕が下りるとき、どっとわいた歓声と拍手に鳥肌が立つほど感動したのを覚えている。
自分の手で生み出したものが、誰かの感情を動かせたこと。
それがすごく嬉しかったから、小説でも脚本でもいい。この手で物語を綴る物書きになりたいと強く思った。
「かーえーでっ!」
「ぐふっ……」
突然、うしろから抱きついてきた誰かの腕は悪気はないのだろうが、私の首をホールドして締め上げている。
「く、苦しいっ……首、軽く締まってる!」
「あっ、ごめんね楓」
肩のあたりで切り揃えられた茶髪の彼女は、悪びれた様子もなくはつらつとした目元を細めてへらっと笑った。
彼女とは高校一年生からの付き合いで、私の数少ない親友のひとり、時枝 彩(ときえだ あや)だ。