盗まれた秘宝の謎を追え!
それから数日。今日も文月は、事件を解決して探偵事務所に戻る。
探偵事務所に戻ると、オリビアは椅子に座って紅茶を飲んでいた。
「本当に、オリビアは紅茶が好きね……」
「本当だよ……」
ミルクたっぷり入ったコーヒーを飲みながら、美由紀は言う。美由紀の腕には、盗まれたはずの腕輪が付いていた。
小雪が連れていかれた後、現在の館長はその腕輪を美由紀に返した。その翌日の新聞で、美由紀たちの名前は公開しなかったが、腕輪の真実が取り上げられた。
美由紀は、文月の正体を知ってからオリビアたちと仲良くなり、探偵事務所へ何度も足を運ぶようになった。
「……結局、あのシルクハットの書かれたカードの謎は何だったんだろ」
「分からないわ。けれど、ブラックライトを当ててみて分かったの。カードの裏に『白くて小さな雪』と書かれてあったわ。恐らく、怪盗は、あの時に気づいて欲しかったのかもしれないわね……正体に」
文月がそう言うと、美由紀は黙り込む。その時、探偵事務所内に電話の音が鳴り響いた。
「……文月!また依頼が入ったよ!」
文月たちは、今日も忙しい毎日を過ごしている。