盗まれた秘宝の謎を追え!
数日後、文月は、学校が終わってすぐに走って文月の知り合いの2人が経営する探偵事務所まで行く。
慌ただしく扉を開け、転がるように文月は事務所に入った。
「オリビア!」
茶髪に青眼の女性、オリビア・ホワイトの名前を呼ぶ。オリビアはイギリス人で、もう何年も日本に住んでいる。
「……文月?どうしたの?」
「どうしたの?じゃないわよ!秘宝を盗まれたって聞いて……」
「あぁ、あの話か……」
隣の部屋から金髪に青眼の女性が出てきた。彼女は、エルザ・コレット。フランス人で、オリビアと同じく日本に住んでいる。
文月とオリビアとエルザは、中学生からの知り合いだ。オリビアとエルザが、ここに引っ越してきた際、困っていたのを、当時中学1年生だった文月が助け、そこから話すようになった。
オリビアとエルザは、文月よりも2歳年上。2人は同居しており、一緒に探偵事務所を開いた。その事務所に、文月は入っている。
「誰の仕業よ?」
「今回の件で噂になった怪盗だよ。この近くにある美術館にある腕輪が盗まれたんだって。その件について、警察から協力してくれって……文月はどうしたい?」
「何でそんなことを私に聞くのよ……そんなの決まってるじゃない」
文月が言うと、オリビアは「そうだよね」と微笑んだ。