盗まれた秘宝の謎を追え!
休日のある日、茶色のケープに身を包み、そのケープに付いたフードを深く被った文月は、怪盗が盗み出したという美術館にやって来ていた。
美術館前に先に来ていたエルザは、「Cool(かっこいい)!」と文月を見て微笑む。
エルザは、文月がこの格好をした時、毎回のように「かっこいい」と言うのだ。
「そうかしら?」
文月はエルザを見つめ、不思議そうに首を傾げた。
「あ、いたいた……Hello!Jennifer,Emma!」
キョロキョロと辺りを見渡したオリビアは、とある警察官の姿を見つけて声をかける。
オリビアが話しかけたのは、ジェニファー・アシュリー。金髪に青眼の女性でアメリカ人の警察官だ。
「あ、オリビア……」
茶髪に緑目の女性が、オリビアに話しかける。彼女は、エマ・オーウェン。イタリア人の彼女もジェニファーと同じく警察で同い年だ。オリビアとエルザとは、3歳年上だ。
「聞いたよ?今回の事件に、協力してくれるんだってね」
エマが微笑む。オリビアは「そうそう!」と笑いかけた。ジェニファーは、文月たちに美術館の中に入るように促す。
美術館に入った文月たちは、壊れた空のケースがある部屋に移動した。ここは、かつて腕輪が飾られていた場所だ。
「本当に無くなってる……」
オリビアは、驚愕したようにケースの中を見つめた。