盗まれた秘宝の謎を追え!
文月が探偵事務所の扉を開けると、文月が見慣れた人物と目が合い、文月も彼女も目を合わせたまま固まった。
「……ん?文月、知り合いなの?」
エルザがそう言うと、文月は我に返って「知り合いも何も、私の友達の美由紀よ」と返す。
文月と目が合った人物は、美由紀。とある依頼をするために、この探偵事務所にやって来ていた。
「何で文月が、ここにいるの?」
文月は深くため息をつくと、「誰にも言わないでね?」と前置きをし、自分が探偵であることを話す。
「……え!?あの謎の探偵、文月なの!?」
「そうよ。今まで隠しててごめんなさい」
「いや、別にいいんだけど……って、話がそれる所だった。昨日、私の机の上にこれが置いてあって……」
美由紀がオリビアたちに見せたものは、怪盗が盗んだ腕輪。
「……何でそれをあんたが!?」
美由紀は、分からないと言いたげに首を横に振る。しかし、美由紀には、この腕輪に見覚えがあった。どこで見たのかは、覚えていないが、なぜか懐かしい感じがするのだ。
「……この腕輪を見た時、とても懐かしくなって……なんで、懐かしくなったのかは分からない」
「……何かその腕輪には、秘密がありそうね。美由紀、警察に見つからないようにその腕輪を持ってなさい」
文月の言葉に、オリビアたちは驚いた顔を見せる。美由紀は、戸惑った顔を見せながらうなずいた。