【短編】STARTー恋ver.ー
『そんな大切な物、落としちゃだめよ。気をつけてね』
彼女は少し笑って、歩き出した。
俺はぼーぜんとして、ただ彼女が去って行く姿を、眺めている事しかできなかった。
お礼を言いたかったのに、声が出なかった。
ただ、はっきりと脳裏に焼き付いた。
風になびく彼女のサラサラなストレートヘア。
そしてあたたかい笑顔。
それがはっきりと焼き付いたんだ。
あの笑顔を、もう一度見たいな。
気付けばそんなことを思っている自分がいた。
高坂 純。
今日、恋をしました。
サラサラストレートヘアの彼女に、
一目惚れ。