【短編】STARTー恋ver.ー
2
それからというもの俺は、何度もあの桜の木の道へ行った。
彼女にまた、会いたくて。
あの桜を眺めていれば
あの桜の下で彼女を想っていれば
きっとまた会える。
そう思った。
俺と彼女を結ぶただ唯一の接点。
それはこの桜の木しかないから。
だけど…
彼女に会うことはできなかった。
何日か通ったけど、一度も。
きっと会えると思って粘ってたけど、さすがにちょっと落ち込む。
もう、会えないのだろうか?
せめて、もう一度だけ。
なあ、この胸の高鳴る気持ちを、確かめさせて?