かわいいふたりの暴き合い
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何も変わらない授業が終わり、数時間の部活動も終わりを告げる時間になってきた






「ミルキー!ママー!今日一緒に帰れる?」






声をかけてきたのは青いフレームのメガネと高い位置のポニーテールが特徴的な莉子ちゃん。

ミルキーは私、ママとは陽茹ちゃんのことだ。



彼女のセンスは何とも独特で、ミルキーという渾名も私が7月生まれだから天の川、そしてそれを英語にするとMilky Way。

その渾名を思いついたその日から彼女は私のことをずっとミルキーと呼んでいる



陽茹ちゃんのママは私よりも簡単だ。元々芸術科に所属する生徒は自分の専攻する分野の部活動にしか入れない。

必然的にメンバーの多い美術部では各学年で部長一人、副部長二人を決める。そして陽茹ちゃんは美術部の部長。「部長ってことは皆のママだね!」の一言で彼女はママとなった。






「ごめーん!今日も電車の時間ヤバいから急ぐーっ!!」


「そっか!頑張れー!」


「じゃあね、莉子ちゃん」


「うん。じゃあね、ミルキー」






私は小さく手を振って、下駄箱まで小走りで向かった。自分よりも高い位置にある靴箱に手を伸ばし、ローファーを取ると手に何かが当たった



まただ。ローファーの中を覗くと、そこには薄桃色のメモが二つに折って入れてある。

私の悩みの種、その二。それはこの謎のメモだ。






「彩花、急いで!」


「あ、うん」





ローファーを履いて駅に向かって走り出す。途中の赤信号で止まった時、陽茹ちゃんの目を盗んでこっそりとメモを開く。三枚目のメモにはいつもと同じ、綺麗で可愛い文字でこう書かれていた





「…貴女が好きです」


「何か言った、彩花!?」


「陽茹ちゃん、十分で電車来ちゃう」


「マジ!?もっと早く言って!!」






駅へ必死に走る陽茹ちゃんの背中を追いかけている途中、何故だか私の胸の辺りはザワついて、温かかった。





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