かわいいふたりの暴き合い
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ニ限目の休み時間、私を黄色ノートを捲っていた。

キャラクターデザインやアイディアスケッチが適当に書いてある私のお遊びノート。それに私は作戦名を書き込む。






「待ち人籠城作戦」





内容はこうだ。手始めにメモの贈り主、つまりは待ち人がいつの時間帯にメモを入れているのかを確認すること。



これについてはもう検証済みで三枚のメモを貰ったあの日、私は今度の県スケッチ大会の実行委員で午前中は市民体育館にいた。

結局、学校に来たのは午後の五限目からなのだ。

昼休みにローファーがなければメモを入れることすら出来ないだろうし、結論的に贈り主はメモを放課後に入れたと考えるのが妥当だった。



時間帯が分かったのはいいが、問題はメモ入れるタイミングが分からないこと。

一枚目と二枚目のメモは数十日位の期間を空けて入れてあったけれど、二枚目と三枚目のメモは数日しか経っていない。





「まぁ、やってみるしかないよね」





美術も勉強も初めは何も分からない状態から始める。これも同じことだよ、きっと。

そう、思い込むように私はお遊びノートを閉じた。



今日は部活があるから待ち構えるのは無理だなぁ、土日はどちらも部活があったから一週間のうちに休みがあるはずなんだけど。

そんなことを考えていると少し癖毛の髪を揺らしながら陽茹ちゃんが今日に入ってきた。






「ねぇ、美術部の皆。今日の部活は無しになりました!」


「え、マジ!?」


「まじ、マジ!」





突然過ぎる。思考が一旦停止しちゃったよ。

でも、これで待ち人籠城作戦を実行出来る。





「やった」






私が呟いた言葉は誰の耳にも入らなかった。






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