おっさんキューピット
だが彼の中ではそのことはもう風化しており、悲しいなどの感情は湧いて来ない。
むしろ、自分の父のことをもっと知りたいとさえ思ったのだ。
彼は自分の部屋の2つ隣、10年間入っていない父の部屋の前に立った。
まるであの当時、話を聞くために押し開けた時のように扉は簡単に開いた。
少し埃っぽくはあったが、綺麗であった。母が定期的に掃除していたのだろう。
本棚には大量の本が並ぶ。当時は題名だけでも全く読めなかったが、今なら読める。
「宇宙物理学、素粒子論、空間物理学…」
物理学ではあろうが、おおよそ繋がりが見えない。父は何の研究をしていたのだろうか?
次に彼は机の引き出しを見てみた。薄いノートが何冊か、研究日記と書いてあった。
過去の記録から見ていくと父の苦悩している様子が見て取れた。本棚の本はその時に別の分野からヒントを求めるために買ったものであるのだろう。
読み進めていくと気になることがあった。
4次元、宇宙ひも理論、反物質などといった父がタイムマシンの話をしていた時に出てきた単語がよく出てきた。
なぜ気づかなかったのだろうか?父はタイムマシンの研究をしていたのだと
日記が父の死んだ日に近づいていくにつれて、父の文章に喜びの気持ちが透けて見えてきた。研究がうまくいき始めていたのだろう。
そして事故の前日の日記には
明日は第一回の実証実験。ここまで来るのは長かったな~。
これがうまくいけば完成まであと少しだ。
休みがもらえたら久しぶりに家族で旅行にでも行こう。
と書いてあった。
父は実証実験中の事故で亡くなったのだろう。
あと少しで目標にたどり着くというところで亡くなった父の無念は計り知れない。
むしろ、自分の父のことをもっと知りたいとさえ思ったのだ。
彼は自分の部屋の2つ隣、10年間入っていない父の部屋の前に立った。
まるであの当時、話を聞くために押し開けた時のように扉は簡単に開いた。
少し埃っぽくはあったが、綺麗であった。母が定期的に掃除していたのだろう。
本棚には大量の本が並ぶ。当時は題名だけでも全く読めなかったが、今なら読める。
「宇宙物理学、素粒子論、空間物理学…」
物理学ではあろうが、おおよそ繋がりが見えない。父は何の研究をしていたのだろうか?
次に彼は机の引き出しを見てみた。薄いノートが何冊か、研究日記と書いてあった。
過去の記録から見ていくと父の苦悩している様子が見て取れた。本棚の本はその時に別の分野からヒントを求めるために買ったものであるのだろう。
読み進めていくと気になることがあった。
4次元、宇宙ひも理論、反物質などといった父がタイムマシンの話をしていた時に出てきた単語がよく出てきた。
なぜ気づかなかったのだろうか?父はタイムマシンの研究をしていたのだと
日記が父の死んだ日に近づいていくにつれて、父の文章に喜びの気持ちが透けて見えてきた。研究がうまくいき始めていたのだろう。
そして事故の前日の日記には
明日は第一回の実証実験。ここまで来るのは長かったな~。
これがうまくいけば完成まであと少しだ。
休みがもらえたら久しぶりに家族で旅行にでも行こう。
と書いてあった。
父は実証実験中の事故で亡くなったのだろう。
あと少しで目標にたどり着くというところで亡くなった父の無念は計り知れない。