おっさんキューピット
「僕、タイムマシンを作ります」

男と会った青年は開口一番そう言った。
男は驚いた様子も見せずに平然としていた

「驚いたり笑ったりしないんですか?かなり突拍子もないこと言っているのに」

「俺がお前を導いたんだぞ?こうなることなんてわかっていた」

「何であなたはそんなこと知っていたんですか?」

男は数秒何かを考えた後、「じきにわかるさ」と弱々しく言った。
青年はそれ以上聞いても何も答えてくれないことはわかっていたので、それ以上は追求しなかった。

「それで、大学も地元の国立大に行こうと思います。時間研究の第一人者がその大学にいるらしいので、その人の元で研究したいなと。彼女とも一緒に居られますしね」

青年は楽しそうにまだ見ぬ将来のことを語った。
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