愛すべき彼女達 ~十人十色~

梓の場合………その2

「梓、同じクラスだよ!!」

「ヤッター!!」

「あっ、ごめん。
…………………梓とは離れた。」

「この薄情もの~」

仲良しの美月は、中学からの仲。

お父さんが死んで少しした頃

お爺ちゃんの家で同居することになった私達は

隣町に引っ越した。

お姉ちゃん達がアルバイト、お母さんが仕事を本格的に始めて

私が一人で留守番する時間が長くなったから。

お爺ちゃんのウチの直ぐ近くに住んでいたのが美月で。

中学で同じクラスになるまでは、顔見知り程度だったけど

中学になって趣味が同じだと分かってからは

いつも一緒に行動してる。

その趣味とは……………

追っかけ。

別に芸能人じゃないよ。

こんな田舎で追っかけなんて、先ず無理だし。

私達が追っかけているのは……………

男の子。

あっ、ストーカーじゃないからね!!

あくまで、追っかけ。

だって、恋愛感情じゃないんだもん。

ただ…………気づいて欲しくて。

だって、今度会ったら………

とびっきりの笑顔を見せるつもりだったのに………

彼は大きくて、視界に入んないんだもん!!!

あんなに誓ったのに…………

そりゃあないでしょう!!!



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