愛すべき彼女達 ~十人十色~
ずっと追っかけられてれば

さすがに私のことを認識しているらしくて。

クラスに入って直ぐに、ゲッと言われた。

彼を観察して分かったことは

とにかく無愛想。

たぶんラグビーで威嚇する癖がついてるんだろうけど………

女の子は、怖くて近寄らない。

おまけに大きいしね。

だから、私の存在はとっても目立つらしくて

同じクラスになって直ぐ、彼女だと噂がたった。

もちろん噂で………

彼女どころか、視界にすら入れてもらってないけど。

彼の耳にも、噂が入ったみたいで

ある日『女子は、立ち入り禁止!!』と

練習場に続くドアの前に、張り紙がされていた。

『女子は』って……………

私と美月以外、誰も見に行かないのに。

シュンと落ち込む私に、手を差しのべてくれたのは………

他の部員さん。

『女の子の応援を増やしてくれるなら、この張り紙剥がすよ!』って。

ラグビーって

『土埃がスゴくて汚くて、野蛮でルールが判んない。』って

女子に人気がないの。

サッカーや野球は、キャーキャー言われてるのにね。

だから、協定を結んだの。

女の子を連れて来る代わりに、再び『立ち入りオッケー』って。
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