愛すべき彼女達 ~十人十色~
「お前ねぇ………………。」

相変わらず、無愛想な上に不機嫌。

それでも、反応してくれた。

視界に入れて………嬉しい!

それからの私は、女の子集めに奔走した。

ラッキーなことに

お姉ちゃんは、ネイリストになったの。

オシャレ大好きな女子高生が、興味を持たない筈がないもんね!

無理言ってお願いして、休日は即席ネイル講座。

爪の手入れの仕方や可愛いネイルを教えてもらう代わりに

ラグビー部の応援に行ってもらう。

女の子も他の部員も………もちろん、私も大喜び!

…………………と思ってたのに…………

一番大切な事が抜けてた。

…………………彼が迷惑だから…………

立ち入り禁止だったんだよね…………………。

応援に行くと、いつもに増して不機嫌な彼。

たぶんキャーキャーと騒がしいことが嫌なんだと思う。

彼を追っかけて分かったことは………

ラグビーはとっても真剣に、集中しないといけないスポーツだということ。

肉弾戦で、怪我と隣り合わせだから当然だよね。

女の子が、急に大きな声で笑ったりしたら

危なくて仕方ない。

「ウルセイ!!
騒ぐなら出てけ!!」

とうとう怒りがピークに達して、怒鳴られた。

怖い!と怯える女の子と

気まずくなる部員。

自分の失敗で彼を傷つけてしまった。
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