愛すべき彼女達 ~十人十色~
それからは、毎日降ってくる飴。

だんだん、1日の全てがそのためにあるような気がする。

どうして降ってくるのか、分からないのはもちろん。

私が彼の仕業だと、気づいてるって………知ってるのかも疑問。

もしかして………バレてないって思ってる??

だってクラスで会っても、全然そんな素振りを見せないんだもん。

こんなに知らんぷりされると………

私もどうしていいのか分からない。

今日も上を気にしながら、歩くだけ。

あれって………彼からの仲直り??

無口で無愛想な彼の行動は

こんなに長い間追っかけてた私にも、分からないものです。





「梓~出禁再びってどういうこと!」

お兄ちゃんの追っかけの為に

同じく女の子を連れてラグビー部に来ていた美月は

再び出禁で、ご立腹。

私が無理だったら、美月も無理だって事を忘れてた。

「……………………ごめん。」

素直に謝る私に、おやっ?と驚いて

「いいよ。
あんなに張り切って女の子集めに奔走してた梓が
急に止めたってことは、何かあるんだもんね。
…………それで?
梓ちゃんが浮かない顔してるのは、なんで??」

五年間、毎日一緒に行動していた美月には

私の変化が、手に取るように分かるらしい。

同じ5年でも、彼とは月とすっぽんだよね。
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