愛すべき彼女達 ~十人十色~
「失礼します。
先生、熱がある。」

「あらっ、珍しい。
どうぞ、入って。」

彼の後ろに続く私を見て、ニッコリ笑って招き入れてくれた。

珍しく、砕けた会話の先生と彼に驚いていると

「中学から通っているからね。
ラグビー部は、怪我が絶えないから常連さんなの。」と教えてくれた。

「無駄話しはいいから、見てやって。」

急かす彼に

「あっ、大丈夫です。
熱はないと思うので…………」と伝える

「まだ言ってんのか。」と、呟いた声が聞こえた。

ビクッ!

固まる私に

「大丈夫よ。
言葉は悪いけど、心配してるだけだから。
柊斗君もそんなんじゃ、彼女に嫌われるわよ。」

「うるさい!」

「あららっ。
また怒らせちゃった!って………………
泣かなくても大丈夫よ。」

先生に言われて、泣いてることに気づいた。

…………………前にもあったな。

彼に申し訳なくて、慌てて手で拭くと

……………………その前に、彼の手で拭かれた。

「フフ、ちょっと職員室に行って来るから……お願いね!」

先生はそう言うと、そそくさと出ていった。

……………………………………ウソ。

急に二人っきりにされ……………心臓が飛び出しそうです。
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