愛すべき彼女達 ~十人十色~
甚平!?

考えたことなかったけど………それ良いなぁ。

先生も着てくれないかな?

「あれっ?唯先生って………彼氏さんがいます?」

えっ!?

急な話題変更にドキドキしてたら

「誰かを想像してた目だったから。」って………。

「ないない、ないない!!
彼氏なんて、いないよ!
あっ、えっと………そうそう、浴衣の話しだよね………」

焦っていたら

「コラ!二人して、何サボってんだ?」って、頭上から声がして

ポンって頭を撫でられた。

「あっ………先生。
おかえりなさい。」

バスから帰った悠人先生に挨拶すると………

上から覗き込むようにくっつく先生と

さっきまでの笑顔がくすんだコウ君。

……………………………??

「先生も、甚平着て?
見てみたい!
コウ君、こっちの甚平が良いねって言ってたの。」

「甚平かぁ~
着て欲しい?」

優しい言い方に、デート気分で甘えちゃってたけど

ここって幼稚園だった。

「またゆっくり相談にのって下さいね。」

少し機嫌悪く立ち上がったコウ君と

入れ替わりに、ニコニコで向かいに腰を下ろす先生。

いつも仲良しなのに…………ケンカ??と

トンチンカンな感想を持った唯には。

これから暑くなる太陽と同じくらい熱くなる

3人の恋が訪れることは………

まだ気づいてなかったの。

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