愛すべき彼女達 ~十人十色~
ポロポロ溢れる涙。

泣いたら、よけい困らせてしまうのに…………止まらない。

「後は…………一人でいいから………
大丈夫。
……………………ごめんね。」

泣きながらそれだけ伝えるのがやっとな私の頭をポンと叩いて。

「相変わらず、一人で答え出すよなぁ。
『片思い』っていうなって言っただろう。
もう…………片思いじゃないから。」

えっ?……………………??………………。

固まる私のノートを取り上げて

「俺が持ってっとくから、これ舐めて教室で待ってろ。
六時には部活が終わる。」って………私の手には飴玉が二つ。

さっさと歩き始めた後ろ姿を…………

ただただ眺めてた。

……………………………どういうこと??
< 55 / 99 >

この作品をシェア

pagetop